【コンハカ裏話 前編】3つの初の試みと一番苦労した事

【コンハカ裏話 前編】3つの初の試みと一番苦労した事

改めまして、第四回公演「結婚は人生の墓場と言いますが」にお越しいただき、誠にありがとうございます!
主宰の森永です!

公演が終わってバラシをして後処理をして、ふぅと息をつく間もなく日常が押し寄せます。

公演期間である木曜から有給使いまくりでお休みを頂いていたので、
先週はヒーヒー言いながら働いておりました。笑

てなわけでようやく落ち着いたのでブログ更新!!

やってまいりました!
前回地味に好評だった「裏話」シリーズです。
今回は前編と後編に分けてお送りします!

前編である今回の目次は・・・

・今作の一番の課題
・結婚式というテーマ
・3つの初の試み

の3本です!
それでは早速いきましょう!


①今作一番の課題!

まず何と言っても今作中で一番の大きな課題だったのは実は「早着替え」です。
ずばり、ウエディングドレスと、両家母親の留袖!

台本的に言うと、この「着替え時間を確保しないといけない」というのがなかなかの制約が大きく、
ドレスで踊るオープニング直後と、物語が盛り上がる式直前のシーンには主役である新婦を出せないという、まあ困った。笑

特に留袖は早着替え以前に普通に着るのも難しいんですよ。
着付けって何??ってレベル。
更に踊るなんて…と頭を抱えました。
僕は当初なーんも考えてなかったんですが、やっぱり結婚式だから色々な「常識」があるようで。
帯は金とか、こういう小物が必要とかね。

特に高石家はTHE常識人の設定だから、無視できないでしょみたいな話もあり、「わしゃもう知らんぞーーー!」ってパンクしてました。笑

もはや不可能だと思い「カジュアルドレスでいいんじゃない?」と断念する方向になった時期も。

しかし演じるさくらまこはいじが留袖に熱くこだわり、また着物に詳しいLino(前作白羽役で出演)にアドバイスをもらい、色々試行錯誤をして、なんとか形にしました。

いやーすごい。脱帽。
踊っちゃってるよ。。。

その他にも友人達のドレスなど、公演の裏では着替えが必要な女性陣がドタバタと駆け抜け、F1のピットインのようにズバズバ着替えておりました。

でもアンケートや頂いた感想には、誰も早着替えについて触れてなくて、
ってことは違和感なく、気にしないで観て頂けたのかなと。

これは作り手にとってはとても嬉しい事。

「あー、早着替え大変そうだなー」
とか
「今着替えるのに時間稼いでるのかな?」

って思われるのは悔しいじゃないですか。
白鳥のように、水面下でジタバタしてるけど舞台上では何食わぬ顔が理想的。
素晴らしい!

結論、やってやれない事はない。っていう。笑


②結婚と言うテーマ

これはまじで苦労しました。
「よーし、6月だし結婚がテーマだ~!」と安直に決めた自分をぶん殴りたい。

舞台上に反映できてない事がほとんどですが、結構調べました。
「結婚」がつく映画とかいっぱい見ました。

どうすれば結婚式に見えるのか。

結婚式っぽいシーン(指輪交換とか、誓いますの言葉とか、バージンロードとか、ケーキカットとか)を入れちゃえば早いんでしょうが、なんせ噛み合わない!
映画みたいに次々にカットが変わればいいけど、舞台だとテンポが崩れる。

「そもそも披露宴からで、式のシーンないじゃん」っていうね。笑

一体どうすればいいんだー!と何度も一人で叫びそうでした。
いや、なんだったら実際に叫びました。笑

 

結果、それでもなんとか形になったのは、
ブライダルスタッフの所作や、家族や友人達ゲストのフリー演技など、各自が見事に雰囲気を作ってくれたからだと。

特に千堂役を演じた久保綾乃の所作がリアルだと定評があり!
後から聞いたら結婚披露宴でのバイト経験があったとかで、そういう環境に身を置いていたのでどういう風に接するのか馴染みがあったとの事。
・・・いや、先言えよ。笑

結婚式っぽいシーンは結局ほぼありませんでしたが、それぞれ役をしっかり演じ、空気を纏う事でそういう空間を作れたのかなと。

嬉しい事にアンケートにも
「途中から自分も式に参列してる気分になりました」とか
「自分の結婚した時を思い出しました」とか、
全てのお客様が納得して頂いたかは分かりませんが、ちゃんと結婚式を作れたんだと。

なんだよ、みんな立派な役者さんじゃないか。
良かった良かった。


③3つの初の試み

今回実は、これでま「NO!」と言っていた事を3つも解禁しました。

それはこちら

・悪役を出す
・限定空間ではない
・ダブルキャスト

・悪役を出す

まあ悪役なのかどうか微妙ですが、今回悪の秘密組織「漆黒の翼団」というのが登場しました。
いやーダサいですね~。笑

悪役というか、「嫌われ者」を作りたくないと言うのが僕の中で大切にしていた事でした。
だから悪でも愛される悪にしたい。ていうかそうじゃないとダメ。みたいな。

イメージはポケモンのロケット団みたいな感じ。

まあ賑やかしのポジションですよね。笑
書いてて楽しかったので、今後もこういうのやりたいです。笑

ただこういう役って下手をするとすごくチープに成り下がってしまうイメージがあるんです。
こんな奴らばっかだと、おそらく深みが全然ない作品になるわけで。

だから今回のように、新婦や家族、友人達の内面を際立たせたり、しっとりしたシーンが多かったので入れました。

そういう共感を狙ったり「間」で見せるシリアスな場面と、深く考えず勢いでドーンといく「テンポ」で見せる場面。
それを交互に書く事を意識して、調和を取ってみました。

 

・限定空間ではない
限定空間っていうのは、いわゆる「ワンシュチエーション劇」とかです。
空間が決まってるみたいな。

例に出すと、これまで1作目のゴカフェは「喫茶店」、2作目カンレボは「学校と会社」、3作目まくマカは「大女優の楽屋前」と、シュチエーションが決まった舞台セットにしてました。
(カンレボは外のシーン、お祭りのシーンがあったりで一部例外の別空間もありますが)

 

ちなみに1作目はこんな感じです↓

ワンシュチエーション劇は、僕のこだわりの1つでもありました。

ただ今回は作品の性質上、どうしても式までの過程と、式当日の場面を作りたかった。
悩んだ結果こだわりを捨て、式当日をベースにした抽象的なセットをオーダーしました。

居酒屋、レストラン(厨房)、ブライダル会社、披露宴会場、高石家の食卓などなど、シーンによってシュチエーションを自由自在に変えてみたわけです。

まあこっちの方が演劇としては主流なんでしょうが、僕にとっては結構な挑戦でした。
選択肢が良くも悪くも幅広くなりすぎる事や、観ていて「これ今どこ?」と分かりにくくなったりするし、割と難しかったです。

個人的には元々やっていた限定空間の方が好きではありますが、抽象空間の面白さや可能性に気付く部分もあって、
次回以降どうしようか悩みどころです。

 

・ダブルキャスト
ダブルキャストっていうのは、1つの役を2人が演じるという事。
今回でいうと、「新山」という役を22日は難波優華が、23日は塩田葵が演じました。

これはまあ、事情があり急遽そうなっちゃいました。

そもそも当て書きにこだわってるのがながらびっと流。
毎回メンバーが決まってから1ページ目を書き出します。

だから毎回その人専用の役を作っているので、ダブルキャストはそもそも無理な話なわけで。

しかし今回新山という役を二人が演じてみて、僕の中に大きな革命が起きてしまった。

「ど、どっちも面白いじゃないか・・・!!」っていうね。

まさに難波と塩田、どっちの新山も面白かったんですよね。
「んなーーるほど!」という発見もあったり。


↑難波が演じると新山は元気でお転婆なイメージ。


↑塩田が演じる新山はオドオドした初々しい感じ。

何よりお互い刺激し合ってるように見えて、明らかに成長が促進されて。
最初から二人でやっていたらどうなってたんだろう?という好奇心も。

正直ダブルキャストって、あんまり良いイメージがなかったんです。
それが今回を通して、なくはないなと。
むしろやり方によっては相当アリなんじゃ・・・

こう思えたのは個人的は本当に大きいです。


 

とまあかなり長くなってしまったのでこの辺で。

次回は今回の初出演者についてです!
配役に関する裏話?みたいな事を書ければなと。
既に本番が終わって1週間以上経過していますが、もう少しお付き合いくださいませ!

以上!

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